一途な執事と甘いティータイム



「ねぇ、三つ編みちゃん、今日ひとり?」



み、三つ編みちゃん……?



この周辺に三つ編みをしてる人は他にいない。



話しかけられているのは紛れもなく私だ。



この感覚はあれに似てる。



パーティーでやけに話しかけてくるおじさんとかそういう部類の気持ち悪い感覚。



「なぁ、俺たちの声聞こえないの?」



「きゃっ」



少し強めに肩を掴まれて、身構えていた私でも驚きと恐怖が隠せなかった。



背筋がスっと凍り、体がこわばって動かない。



誰か、助けて。



これ以上ここにいたら危ない。



そう思うのに、声すらも出ない。



海水浴客でいっぱいのこの場所は、少し人がたむろしていても、人混みに紛れて気づかれない。



私の方なんて、誰も見ていない。



美菜子……助けて。



でも、美菜子が来たら……あんなに可愛い子が来たらこの人たちの標的になってしまう。



私が守らないと。



ここに呼んではいけない。



でも、どうする?



私ひとりでこの場から抜け出せる?

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