一途な執事と甘いティータイム
「ねぇ、なにやってんの?」
そこにはドスの効いた声が響いた。
「ちょっ、痛てぇな」
私の腕を掴んでいた男の腕を強く握る彼。
「なんだよお前」
「だから、俺の婚約者になに手出してんだって言ってんだよ」
婚約者。
私のことをそう呼ぶのはひとりしかいない。
「……大河、なんで」
なんでここに大河がいるの?
「待ってね菓乃ちゃん。その続きはまた後で」
「何ごちゃごちゃ言ってんだよ。俺たちが見つけたんだから邪魔すん……ぐぁっ」
「たい……がは心配ないか」
一瞬殴られそうになっていた大河を心配したけれど、それは意味が無いものだった。
大河も御曹司。
いろんな英才教育を受けている。
確かその中の一つに格闘技もあったはず。
大河は技を華麗に決めて、あっという間に私を取り囲んでいた男たちを追い払った。