一途な執事と甘いティータイム
逃げていった男たちの背中を見ながら、パッパと手のひらの砂を払い落とす大河。
何かが起きていることをやっと知った周りの人たちは、大河の強さに圧巻されて、最後には拍手が巻き起こっていた。
「菓乃ちゃん、大丈夫だった?」
そんなことはお構い無しに、私に手を伸ばしてくる大河。
「う、うん。ありがとう」
私が素直に大河の手を取るなんて珍しい。
でも、本当に助けてくれたことに感謝してるんだ。
「……ところでどうして大河がここに?」
「あー、ここに来たら菓乃ちゃんに会えるかなぁって」
よくよく話を聞けば、あのパーティーの日に私が友達と海水浴に行くことを知ったらしく、わざわざ今日遊びに来たとのこと。
それって……
「ただのストーカー?」
「なんでそうなるの?婚約者のピンチに駆けつけた王子様だっていうのに」
「それを言わなければいい人で終わるのに」
ナルシストな大河は一言余計だ。