一途な執事と甘いティータイム
「菓乃ー!」
「あっ、美菜子!」
トイレから戻ってきた美菜子は、私の姿が見えなくて探し回ってくれていたらしい。
「もう海の家にもいないから何かあったんじゃないかって……とにかく無事でよかった」
本気で心配してくれていたみたいで、ぎゅっと抱きしめてくれるその温かさを感じた。
「……えっとこの人は?」
私の隣に立つ大河が気になったんだろう。
落ち着いた美菜子がそう聞いてきた。
「この人は私を助けてくれた」
「婚約者です」
「はぁ?いや、違う」
「なんで嘘つくの?」
「いやいや、ちょ……」
美菜子は何も知らない。
私に突然婚約者だなんて……
「えぇーっ!!」
すでに時遅し。
美菜子は間に受けて、驚きを隠せずテンションが上がっていた。
「今日は会えてよかったよ菓乃ちゃん。今度からは一緒に居られるから。菓乃ちゃんは俺が守ってあげる」
ここはキュンとするところなんだろう。
現に隣の美菜子がキャーと声を上げている。
大河はそう言い残して行ってしまったけれど……
今度から一緒にって、どういうこと?