一途な執事と甘いティータイム



帰りも行きと同じく電車で帰る。



友達とこうして電車に乗ることもなかった私は、お別れが近づき寂しさが増してくる帰り道も、美菜子といられるだけで幸せだった。



「今日はありがとね!」



「こちらこそ夏休みに美菜子と遊べて良かった!すっごく楽しかったよ」



本当はまだまだ遊びたかったけれど、もう帰らなければいけない時間だ。



1日がとても短く感じる。



お互い「またね」と言葉を交わして駅を出た。



確か有嶋からメッセージが入っていたはず。



ふと思い出して、スマホをカバンから取り出した。



ほら、やっぱり。



新着メッセージが1件入っている。



"駅前のベンチで座って待ってる"



トーク画面を開くと、そうあった。



敬語が使われていない理由は、きっとまだ有嶋が作ってくれた自由時間という名のティータイムだから。



今日のティータイムはいろいろな事件もあったけど、充実していた。


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