一途な執事と甘いティータイム
「その……さっきのは」
「本当だ。執事だお嬢様だとか関係なく、純粋に菓乃のことが好きだよ」
「っ」
そんなサラリと……
さっきは顔を赤らめていたのに、今は平然としている有嶋。
私だけこんなに体が熱くなって、なんだか悔しい。
「菓乃は覚えてるか?一度会った時のこと」
「……会ったことあるの?」
有嶋を知ったのは今年の春、専属執事になると紹介された時。
それまではもしかしたら廊下ですれ違ったことがあったかなかったか……という程度。
それよりも前に会っていたっていうの?
「菓乃、大河の家でかくれんぼしてただろ」
「え……」
なんで有嶋がそのことを。
それを知っているのは一緒に遊んでいた大河と、あと……
あの時に会ったお兄ちゃん。