一途な執事と甘いティータイム



「あん時と変わったよな、菓乃」



「私?」



「あぁ。あの頃の菓乃は無邪気に笑ってて、キラキラ輝いてた」



「確かにあの頃は楽しかったからね」



社会のことは本当に何も知らなくて、パーティーに出ればみんなに可愛がってもらえて、美味しいご飯やデザートが食べられる。



大河とも純粋に友達として、一緒にいて楽しかった。



「それがこんなわがままお嬢様に育っちゃって」



「なにそれ、超ムカつくんですけど。執事が仕えてるお嬢様になんて悪口……」



「そういう時だけお嬢様ずらすんのやめろよ。今はティータイムだから関係ない」



ティータイムの時間は平等に。



そう決めてしまったのだから有嶋の言う通り。



でも、悪口は酷くない?


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