一途な執事と甘いティータイム



「まぁ、俺は菓乃に救われたんだよ。何も無い暗闇にいた俺を光の中に連れ出してくれた。だからもう一度菓乃に会いたいと思った」



ところで……



ふと疑問に思う。



「私と有嶋はお嬢様と執事の関係でしょ?有嶋は私のこと、す、好きとか言うけど有嶋が私の執事である限り付き合うとかそういうの無理だから」



お嬢様と執事の恋愛は禁断の恋。



結ばれることは決してない。



「それに、私には婚約者がいるし」



それも有嶋の腹違いの弟である大河。



「菓乃は大夢と結婚したいのか?」



「それは……」



大河のことは好きじゃない。



人間として、大河グループの次期社長としての仕事ぶりは尊敬するけれど、結婚したいと思ったことは一度もない。



それに親に決められた政略結婚なんて、一番嫌い。


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