一途な執事と甘いティータイム



「それなら、俺にもまだチャンスがあると思っていいか?」



「……はぁっ?」



有嶋は何を言ってるの?



「……っ」



いきなり立ち上がったかと思えば、私の目の前に立ち、顎をクイッと持ち上げられる。



有嶋と視線が真っ直ぐにぶつかる。



「お嬢様だか執事だか知らないけど、俺は菓乃を幸せにしたい。守りたい。だから覚悟してください」



……なに、それ。



覚悟って、何を。



「では、ティータイムはこれで終了です」



何事もなかったように片付け始める有嶋。



切り替えが早すぎじゃない?



「あぁ、そういえば言っておきたいことがもうひとつ。自分が嫌だとしても大企業のお嬢様だということは自覚してください。連絡も取れないので誘拐されたのではないかと大騒ぎだったんですよ?」



「それは、本当にごめんなさい…」



そんな騒ぎになっているなんて思ってもいなかった。


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