一途な執事と甘いティータイム





***



「菓乃お嬢様、起きてください。遅刻しますよ」



「……有嶋っ!?」



目の前に突然有嶋が現れてびっくりする。



直前まで有嶋の夢を見ていたから余計に。



「あー起きてしまいましたか。目が覚めなければ目覚めのキスをと思っていたのに」



「は、はぁ!?馬鹿なこと言わないで!!」



なに、何?



なんなの?



昨日の今日で、有嶋の態度が全然違う。



どこかよそよそしい態度だったのに、いきなり馴れ馴れしいというかなんというか。



調子が狂う。



「起きるから、早くそこを退けてよ」



「嫌ですと言ったら…?」



「……」



「冗談ですよ。本当に遅刻してしまうので早く準備をお願いします。では…」



いい加減ムカついて睨みつけると、観念したのか有嶋は部屋の外へと出て行った。



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