一途な執事と甘いティータイム
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「菓乃お嬢様、起きてください。遅刻しますよ」
「……有嶋っ!?」
目の前に突然有嶋が現れてびっくりする。
直前まで有嶋の夢を見ていたから余計に。
「あー起きてしまいましたか。目が覚めなければ目覚めのキスをと思っていたのに」
「は、はぁ!?馬鹿なこと言わないで!!」
なに、何?
なんなの?
昨日の今日で、有嶋の態度が全然違う。
どこかよそよそしい態度だったのに、いきなり馴れ馴れしいというかなんというか。
調子が狂う。
「起きるから、早くそこを退けてよ」
「嫌ですと言ったら…?」
「……」
「冗談ですよ。本当に遅刻してしまうので早く準備をお願いします。では…」
いい加減ムカついて睨みつけると、観念したのか有嶋は部屋の外へと出て行った。