一途な執事と甘いティータイム
慣れてきたことと言えば、もうひとつ。
常に専属執事の有嶋が隣にいること。
初めのうちは、神山さんではない人がいることで毎回驚いていた。
有嶋には「いい加減、そろそろ慣れてください」と何度言われたことか。
やっと最近、驚かなくなってきた。
──コンコン
「お嬢様、入ってもよろしいですか?」
噂をすれば……と有嶋がやってきたらしい。
「ダメ」
「はい、失礼します」
慣れてきたのは有嶋も一緒なようで、私のこの性格を理解して軽くあしらわれるようになった。
「ねぇ、ダメって言ったでしょ」
「そのダメはただ避けようとしてるだけですよね。バレバレですよ」
今日も執事服はピッタリとアイロンがかけられていてシワひとつない。
言い方がいちいちムカつくけれど、人としてはとても几帳面で仕事のできる奴だ。