一途な執事と甘いティータイム



それを察したらしい有嶋は、その後すぐに部屋を出て行ってくれた。



「はあぁ……」



盛大なため息がでる。



んー、もうなんでよ。



"お仕置き"と言われておでこにキスをされたあの日から、有嶋のことを直視できない。



変に意識してしまって、心臓がうるさくて、落ち着かない。



そんなモヤモヤとした気持ちをかき消すかのように掛け布団をバサっと避けて起き上がった。



朝食の準備が出来たと呼びに来る時も、学校へ行こうと迎えに来た時も、いちいち姿を見る度にドキッとする。



あぁ、心臓に悪い。



忘れて何も無かったことにしたいのに、それができない。



「はぁ」



「ため息何回目ですか」



隣……正確には1メートルほど先を歩く有嶋にそう突っ込まれる。



一体誰のせいだと思っているのだろう。


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