一途な執事と甘いティータイム



「着きましたよ、お嬢様」



「ここが……カラオケ」



いざ目の前に立つのは、今日が初めて。



自動ドアをくぐると、中はとてもザワついていた。



スピーカーから流れる音楽。



個室から少し漏れてくるいろんな音といろんな歌声。



遠くからは盛り上がる声とタンバリンの音も聞こえてきた。



これがカラオケ屋さん。



受付に並んでいると、しばらくして私たちの番が来た。



「学生2名様ですね。お時間はどうされますか?」



「えっと、1時間で」



「コースはどうされますか?」



「通常のコースでお願いします」



仕組みが全くわからない私は、全て有嶋任せ。



受付が終わったのか、部屋番号の書かれたカードとマイクの入ったカゴを渡された。


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