一途な執事と甘いティータイム



「これは受付からの電話。終了予定時間の前に確認の電話が来るんだよ。電話の音でめっちゃビビってるし、恐る恐る電話に出るから……あはは」



まだ笑ってる。



なんかすごくバカにされてるよね?



仕方ないじゃん、知らなかったんだもん。



突然電話が大音量で鳴ったら、みんな驚くでしょ。



「よし、じゃあそろそろ時間だし帰るか。本日のティータイムは終了ですよ、お嬢様」



有嶋にバカにされてモヤモヤしているところに、"お嬢様"呼びでさらに追い打ちをかけてくる。



オンとオフの切り替えが早すぎる上、本当に性格が悪い。



「わかってるよ、バカ」



ムカつく。



はぁとため息をついて、帰りの身支度を始める。



「忘れ物はないですか?」



「うん、きっと大丈夫」



財布もスマホもカバンも持った。



有嶋もテーブルの下やソファーの上、下、隅々まで確認していたから大丈夫なはず。



そこだけは本当にできる執事。


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