一途な執事と甘いティータイム



「どうか見逃してください……」



そう言ってすぐに許可が出るのであれば、今までこんなに私は苦労していない。



「無理ですね。お嬢様にはしっかりやるべき事はやっていただかなければなりません」



断固として譲らない有嶋を私は鋭く睨んだ。



「ダメなものはダメです」



「このケチ執事」



「えぇ、ケチで結構です」



あームカつく。



何を言っても返してくる。



これはまた脱走計画を立てなければいけない。



今度はしっかり抜け目なく。



「ただ一つ、方法がございます」



「……方法?」



ほぼ無謀な脱走計画を立てなくても美菜子と遊びに行けるの?



そうなのだとしたら、それはすごく魅力的。



「なに、なに!?ねぇ、教えてよ有嶋!」



「ティータイムを使うのです。その時間であればお嬢様も自由、私も自由。一石二鳥ではないですか?」



うーん、それは有嶋が単に休みが欲しいと思っているだけなんじゃないか……


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