一途な執事と甘いティータイム
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今回のパーティーのために用意されていたのは、夏っぽくて爽やかな水色のドレス。
ウエストがきゅっと締まっていて、Aラインになっているこのドレスは、スタイルが良く見える。
それに、見事私にぴったりのサイズ。
そう言えば夏の初め頃に誰かが寸法を測りに来ていたっけ。
「はぁ……」
それにしても憂鬱。
ここまで今回のパーティーに無理矢理でも私を参加させようとするのには理由がある。
今回のパーティーは、桜宮グループが主催するから。
「うん、ご立派な会場……」
お父さんに一緒に会場のチェックをしてくれと頼まれて、渋々まだ誰もいないパーティー会場にやってきた。
"Sakura"という名前の通り桜をモチーフにした化粧品が多いため、一番忙しいのは春。
春に出た商品が売上を伸ばして、1年の中でも軌道に乗ったこの夏という少し落ち着いた時期に毎年、桜宮グループ主催のパーティーを開いている。
提携先の企業や毎年招待している有名企業の人たちは、このパーティーでまだ未発表で製作段階の化粧品を見ることができると楽しみにしているらしい。
私としては面倒くさいから無くして欲しいのに、やっぱりそうはいかない。