一途な執事と甘いティータイム
「もう、釣れないなぁ菓乃ちゃんは。他の女の子ならもう、コロッとだよ?」
「どうぞ、可愛い女の子たちとイチャイチャしてきてください」
「なんでそんなに怒ってるの?そんなに俺の事嫌い?」
「うん、大っ嫌い」
いつも同じやり取りをしているような気がする。
そして、毎回大河はガクリと肩を落とす。
「大夢!桜宮さんに挨拶に行くぞ。菓乃ちゃんと話したい気持ちもわかるが、早く来い」
「ったく、邪魔しやがって。んじゃ、またね菓乃ちゃーん」
あんなに落ち込んでたのに、コロッと態度を変えちゃって。
本当に調子のいいやつ。
「菓乃お嬢様、招待しているお客様はこれで全員です。パーティー会場へ戻られても大丈夫ですよ」
「はい、ありがとう」
本当はパーティー会場になんか戻りたくない。
このまま外へ走り出したいけれど、全ては美菜子と遊びに行くため。
渋々、私に声をかけてきた使用人にエスコートされて、会場の中へと戻った。