一途な執事と甘いティータイム
「……はぁ」
あのパーティー会場にいるだけで息苦しくなる。
廊下に出た時のこの開放感。
背中に羽が生えたように体が軽くなって、心地いい。
さーて、呼ばれるまでは部屋で何をしようか。
「かーのちゃんっ」
「ぎゃあっ!」
「あらあら、お嬢様がそんな声出しちゃダメでしょ?」
「……っ、大河」
コイツは本当に……
どうやらあんなに慎重になって会場を出てきたというのに、そんな私の姿を大河は見ていたらしい。
そして、私の後をついてきたのだとか。
「ねぇ、どこまでついてくる気?」
「ん?菓乃ちゃんの行きたいところならどこにでも」
んー、なんか違うんだよね。
普通、漫画とかならキュンとするセリフと一つに入ることもあるだろう台詞だけど、大河が言うとなんか……
ただ、気持ち悪い。
単なるストーカー。
「ねぇ、菓乃ちゃん、心の中で俺の悪口言ってるでしょ」
「うん、もちろん」
「いや、そこは本当でも否定してよ」