気づけばいつも探してた
ひとまずワインで乾杯を済ませ、一息ついたところでさっきの話の続きが始まる。
「先生から新しいイタリアンの店内の壁に花を生けてみない?って」
「それがこの店ってわけね」
「はい。そうなんです。この店のオーナーがたまたまホテルで私の生けた花を見られて、とても気にいって下さったみたいで。素人っぽいのが好みだったのかな?」
「素人だなんて!そんな感じ全くしないわ。っていうより萌の花への純粋さが出てるんじゃない?それがこの店の雰囲気にすごく合ってるような気がする」
私は運ばれてきたオードブルをつまんだ。
自家製生ハムのマリネとか言ってたっけ。
「うわ、おいしい!」
酸味とほのかな生ハムの塩分が絶妙なバランスで交じり合って口の中でとろけた。
「でしょう?このオードブル、どれもひと手間掛けられていてすごくおいしいんです」
「こんなおいしいお料理を食べながら、将来大物になりそうな萌の生けた花を観賞するなんて、本当に贅沢な気分だわぁ」
「やめて下さい。恥ずかしいです」
萌はワインのせいなのか少し赤くなった頬を両手で押さえながら首を横に振った。
「で、今日話があるっていうのはきっとそれだけじゃないでしょう?」
まだ少女みたいな愛らしい萌を見つめながら続けた。
「私、会社を辞めて、本格的に花を生けることに人生をかけようと思ってます。先生も、まずはアシスタントをしながら顔を広げ、こんな風に自分の作品を評価してもらえる場に提供していきなさいって」
「ようやく決意が固まったのね」
萌は目をキラキラさせながらしっかりと頷いた。
それだけの決意が持てるってある意味とてもうらやましい。
私にもいつか決意をしなくちゃならない日が来るんだろうか。
それは、一体どんな決意なんだろう。
「先生から新しいイタリアンの店内の壁に花を生けてみない?って」
「それがこの店ってわけね」
「はい。そうなんです。この店のオーナーがたまたまホテルで私の生けた花を見られて、とても気にいって下さったみたいで。素人っぽいのが好みだったのかな?」
「素人だなんて!そんな感じ全くしないわ。っていうより萌の花への純粋さが出てるんじゃない?それがこの店の雰囲気にすごく合ってるような気がする」
私は運ばれてきたオードブルをつまんだ。
自家製生ハムのマリネとか言ってたっけ。
「うわ、おいしい!」
酸味とほのかな生ハムの塩分が絶妙なバランスで交じり合って口の中でとろけた。
「でしょう?このオードブル、どれもひと手間掛けられていてすごくおいしいんです」
「こんなおいしいお料理を食べながら、将来大物になりそうな萌の生けた花を観賞するなんて、本当に贅沢な気分だわぁ」
「やめて下さい。恥ずかしいです」
萌はワインのせいなのか少し赤くなった頬を両手で押さえながら首を横に振った。
「で、今日話があるっていうのはきっとそれだけじゃないでしょう?」
まだ少女みたいな愛らしい萌を見つめながら続けた。
「私、会社を辞めて、本格的に花を生けることに人生をかけようと思ってます。先生も、まずはアシスタントをしながら顔を広げ、こんな風に自分の作品を評価してもらえる場に提供していきなさいって」
「ようやく決意が固まったのね」
萌は目をキラキラさせながらしっかりと頷いた。
それだけの決意が持てるってある意味とてもうらやましい。
私にもいつか決意をしなくちゃならない日が来るんだろうか。
それは、一体どんな決意なんだろう。