気づけばいつも探してた
不覚にもその笑みにドキッとして視線を逸らす。

「君のことは誰にも言わないよ。約束する」

なかなかしぶとい人ね。
軽くため息をつき前髪をかき上げながら言った。

「誰にも言わないとかそういうことを言ってるんじゃないんです。嫌なの。SNSしてる私を知ってる誰かが知り合いにいるってことが。だから忘れて下さい」

「俺、一度見たり聞いたりしたことは生涯忘れないタイプなんだ。だから申し訳ないけれど無理」

「なっ!」

彼の目をキッと睨みつけるとsho-はひるむことなく再び爽やかな笑顔を向ける。

「忘れられないけれど、約束も決して破らないよ。安心して」

そう言うと、くるっと私に背を向け城に目掛けてシャッターを切り始めた。

そしてシャッターを切りながら言った。

「俺は今日会えてよかった。どんな人なのかずっと気になっていたから。meeさんのSNSはこれからも楽しみにしてるよ」

どうしてなんだろう。

胸がキュッと苦しくなった。

この人は、このsho-って人は、そんなに悪い人じゃないのかもしれない。

それなのに、私ってば、自分の正体がバレたら困る一心で彼にかなり酷いことを言ってしまったような。

「ごめんなさい……お元気で」

私は小さな声でつぶやくと、彼の背中に頭を下げ足早にその場を離れた。

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