気づけばいつも探してた
大きくため息をついて、ソファーにもたれる。

もっと能天気に生きてる奴だと思ってたのに、本当の翔は全然違ってた。

結局誰よりも能天気に生きてるのは私自信であることに、なんとも言えない情けない気分になる。

それにしても、あのT大病院の院長の息子が翔だったなんて、例え血がつながらなかったとしても事実は事実。

竹部さんもエリートだと思ってたけど、翔だって全然負けてなかったんだわ。

こんな能天気な私の周りにいる男性が皆エリートということは、単なる偶然だったのかしら。

それとも自分とは対照的なものに惹かれるっていう、物珍しさから彼らは私に近づいてきたのかもしれない。

見てて面白い=元気になる、的な。

さっき翔から褒められた言葉に感動しちゃったけれど、面白い対象ってだけの話なんだわ、きっと。

所詮、不釣り合いな相手。翔も、そして竹部さんとも友達止まりで終わるのも無理ないか。

考えれば考えるほど、さっきの感動が薄れていく。

そして、卑屈になっていく自分にいよいよ頭の切り替えが必要だと感じた。

「部屋で寝なきゃ」

小さく呟きソファーから立ち上がると、静かにリビングを出て二階にある自分の部屋へ戻る。

このまま寝たら悪夢を見そうだわと思ったけれど、意外と夢見はよく気が付いたら朝だった。
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