気づけばいつも探してた
17.幸せになるために
17.幸せになるために
翌日の朝、家の近くのケーキ屋さんの開店と同時にシュークリームを買って美由紀に会いに行く。
シュークリームを差し出した私に美由紀は「今は病院食以外は食べちゃダメって言われてるんだけど」と言って微笑んだ。
ようやく美由紀の笑顔が見れたことに純粋に感動する。
「でも、せっかくだから頂くわ」
私が渡した袋の中からシュークリームを一つ取り出した美由紀は、扉に背を向けてくすくす笑いながら頬張る。
「おいしい!」
一口食べた瞬間、美由紀は目を見開いて私の方に顔を向けた。
「そう?よかった。このケーキ屋さんは元々和菓子屋さんでね、先代を継いだ息子さんが和菓子の材料をつかって洋菓子を作ってるの」
「へー。甘味が柔らかく感じるのはそのせいかしら?とても優しい味」
かじったシュークリームの間から流れてくるクリームを、美由紀は慌ててすすり上げる。
何度も満足気に頷きながら口を動かす美由紀を見ていたら私のお腹がぐーと鳴った。
そんな私に美由紀が口を押えてプッと吹き出す。
「まだもう一つあるから、美南も一緒に食べよう」
そう言って袋の中からシュークリームを取り出して私に手渡した。
「じゃ、遠慮なく」
私はペロッと舌を出して、手にしたシュークリームを大きな口で頬張る。
いつも食べてるはずなのに、今食べてるものは普段以上においしいような気がした。
こうして美由紀と目を合わせ、笑いあってることで自分の心が穏やかになっているからだろうか。
美由紀も私と同じようにこの時間を穏やかな気持ちで過ごせてくれていたらいいなと思う。
竹部さんの現状を、美由紀はもう知っているのか気になりながらさりげなく尋ねた。
翌日の朝、家の近くのケーキ屋さんの開店と同時にシュークリームを買って美由紀に会いに行く。
シュークリームを差し出した私に美由紀は「今は病院食以外は食べちゃダメって言われてるんだけど」と言って微笑んだ。
ようやく美由紀の笑顔が見れたことに純粋に感動する。
「でも、せっかくだから頂くわ」
私が渡した袋の中からシュークリームを一つ取り出した美由紀は、扉に背を向けてくすくす笑いながら頬張る。
「おいしい!」
一口食べた瞬間、美由紀は目を見開いて私の方に顔を向けた。
「そう?よかった。このケーキ屋さんは元々和菓子屋さんでね、先代を継いだ息子さんが和菓子の材料をつかって洋菓子を作ってるの」
「へー。甘味が柔らかく感じるのはそのせいかしら?とても優しい味」
かじったシュークリームの間から流れてくるクリームを、美由紀は慌ててすすり上げる。
何度も満足気に頷きながら口を動かす美由紀を見ていたら私のお腹がぐーと鳴った。
そんな私に美由紀が口を押えてプッと吹き出す。
「まだもう一つあるから、美南も一緒に食べよう」
そう言って袋の中からシュークリームを取り出して私に手渡した。
「じゃ、遠慮なく」
私はペロッと舌を出して、手にしたシュークリームを大きな口で頬張る。
いつも食べてるはずなのに、今食べてるものは普段以上においしいような気がした。
こうして美由紀と目を合わせ、笑いあってることで自分の心が穏やかになっているからだろうか。
美由紀も私と同じようにこの時間を穏やかな気持ちで過ごせてくれていたらいいなと思う。
竹部さんの現状を、美由紀はもう知っているのか気になりながらさりげなく尋ねた。