気づけばいつも探してた
その時、彼のジーンズのポケットに入れているスマホが鳴っているのに気づいた。
竹部さんは直ぐにスマホを耳に当てる。
「はい、竹部です。えー……今出先なんで、車で飛ばせば三十分くらいで着くかな。わかりました、すぐ向かいます」
呼び出しだ。
最近難しい手術が続いてたって言ってたもんね。
でも、映画も一緒に見れて、カフェでお茶もできたら十分一緒にいれた方だわ。
「毎度のことでごめん」
「いえ、大丈夫です」
私は笑顔を作ってパンケーキを指さし言った。
「竹部さんに見られてたらなかなか食べれなかったけど、今からゆっくり堪能します」
彼は泣きそうな目をして、私の手に自分の手を重ねた。
「年末、休みが取れたら旅行にでも行こう」
旅行?!
こんなに忙しいのに旅行だなんて行けるのかしら。
私は期待せずに笑顔で頷いた。
彼は腕時計に目をやると、椅子にかけていた黒の革ジャンを掴み「じゃ」と言って勘定を済ませ店を出ていった。
ふぅ。
こうなることは最初からわかってたからいいんだけど。
まだ半分残っていたパンケーキはすっかり萎んで元気をなくしていた。
出来立てがおいしいんだよね。時間が経てば経つほど萎んで最初の時の感激は薄れていく。
小さくフォークで切り取ったケーキを口に入れて、アイスティで流し込んだ。
そういえば、翔、元気してるかな。
この間会ったのはもう三週間前くらいになるか。
丁度、竹部さんと四回目のデートで彼に初めて抱かれた後だったっけ。
竹部さんは直ぐにスマホを耳に当てる。
「はい、竹部です。えー……今出先なんで、車で飛ばせば三十分くらいで着くかな。わかりました、すぐ向かいます」
呼び出しだ。
最近難しい手術が続いてたって言ってたもんね。
でも、映画も一緒に見れて、カフェでお茶もできたら十分一緒にいれた方だわ。
「毎度のことでごめん」
「いえ、大丈夫です」
私は笑顔を作ってパンケーキを指さし言った。
「竹部さんに見られてたらなかなか食べれなかったけど、今からゆっくり堪能します」
彼は泣きそうな目をして、私の手に自分の手を重ねた。
「年末、休みが取れたら旅行にでも行こう」
旅行?!
こんなに忙しいのに旅行だなんて行けるのかしら。
私は期待せずに笑顔で頷いた。
彼は腕時計に目をやると、椅子にかけていた黒の革ジャンを掴み「じゃ」と言って勘定を済ませ店を出ていった。
ふぅ。
こうなることは最初からわかってたからいいんだけど。
まだ半分残っていたパンケーキはすっかり萎んで元気をなくしていた。
出来立てがおいしいんだよね。時間が経てば経つほど萎んで最初の時の感激は薄れていく。
小さくフォークで切り取ったケーキを口に入れて、アイスティで流し込んだ。
そういえば、翔、元気してるかな。
この間会ったのはもう三週間前くらいになるか。
丁度、竹部さんと四回目のデートで彼に初めて抱かれた後だったっけ。