気づけばいつも探してた
すると、竹部さんは少し困ったような表情で額にかかる前髪をかき上げて言った。

「代理っていうか、一応部長なんだけど」

「ええ?!ぶ、部長?!」

まさか、その若さで部長だなんて!?

あまりの突然すぎる告白に思わず大きな声が出てしまい慌てて口を塞いだ。

案の定、ひしめき合う来場者の隙間から占田チームリーターがこちらを厳しい目で睨んでいる。

「すみません、失礼いたしました」

周囲の来賓者と竹部さんに深々と頭を下げた。

「ごめん、驚かせたね。実は、先週部長が急に転勤になってね。俺が部長に引き上げられちゃったっていうか。まだまだペーペーなんでお手柔らかにお願いします」

竹部さんは苦笑しながら私に目配せをすると、そのまま会場へ颯爽と歩いていってしまった。

ま、まじですか……。

脳神経外科部長と付き合ってるのが私、だなんて。

やっぱり、美由紀が言ってた通り、彼は正真正銘、生粋のエリートなんだ。

だけど、私で本当に大丈夫なの?

「すみません、受付お願いします」

呆然としていた私に正面に立っていた来賓客が不思議そうな顔で声をかけてきた。

「あ、お待たせして大変申し訳ございません!」

私は慌てて体勢を立て直し、招待状を受け取った。

「先輩大丈夫ですか?」

隣にいる萌が心配そうな顔で声をかけてきたので「ええ、大丈夫よ」と先輩らしく毅然と返したけれど、本当は必死に平静を装っていた。
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