気づけばいつも探してた
祖母を見舞うのは二週間ぶりじゃないかな。

ここのところあまり調子がよくないと母から聞いていて、行きたいけれど、そんな祖母を見るのがつらくて足が向かなかった。

だめだよね、そんなの。

わかってはいるけれど、毎日でも行ってあげたいのに行けない。

大事な人が小さく萎んでいく姿を見るのは、私にはやっぱりつらいことだった。

会社を早退させてもらい、一旦自宅に帰ってから祖母が好きな演歌歌手のCDと、チョコレートを持って病院に向かう。

一気に冬がやってきて、夕暮れ前はかなり冷え込む。

駅に向かいながら、ショート丈のオフホワイトのダウンのジッパーを首まで上げた。

祖母の入院している病院は、最寄り駅から二駅向こうにある市立の総合病院だ。

既に診察が終わった夕方の病院は暗くて静かで、なんだか苦手。

裏口から病院に入り、祖母のいる5階の入院病棟に急ぐ。

祖母は、四人部屋の一番奥の窓側のベッドにいた。

手前二つはいつもカーテンが閉め切られているので、どんな人が入院しているのかもわからない。

祖母の隣のベッドには丸顔の人の好さそうなおばあさんがいつもニコニコして座っていた。

そのおばあさんに軽く会釈をし、祖母のベッドの方を覗き込む。

「あら、早かったわね」

先に来ていた母が私に言った。

「みーちゃん、いらっしゃい。久しぶりだねぇ」

祖母は母から聞いていた通り、顔色もよくベッドを起こして座っている。

最近はずっと寝たままだったから、そんな祖母を見るのは久しぶりだった。

「おばぁちゃん、どう?」

< 67 / 186 >

この作品をシェア

pagetop