気づけばいつも探してた
呆然としていると、手に握っていたスマホが震えているのに気づいた。
見ると、萌からだった。
慌てて出ると、電話の向こうで誰かのすすり泣く声が聞こえる。
まさか、萌が泣いてるの?
「萌?どうしたの?何かあった?」
『矢田さんっ、ヒック……私、うっ、もう無理かもしれません』
「無理って、何が?」
『立花さんが、ヒック……私のバッグに入ってたって』
「立花さんがどうしたって?」
泣いてるせいで萌の言葉が聞き取りにくい。
片方の耳を塞いで、萌の言葉に神経を尖らせる。
『私のバッグから、あのUSBが見つかったって、立花さんが上司に言ったんです。絶対私が入れたんじゃないのに……』
なんてこと!!!
濡れ衣を着せられたってこと?
さっきまでの温かい心が一気にぐらぐらと煮え滾る。
「萌、今どこなの?」
『まだ会社です……』
「もう帰れる?」
『あと少ししたら』
「そちらまで行くから会社の下で待ち合わせるわよ!」
『でも、矢田さん、今日は用事があって早退したんじゃ?』
「もう用事は終わったから大丈夫、じゃ、またあとでね!」
私の声が興奮で大きくなっていたのか、そばを通りかかった看護師が足を止めて不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「すみません」
看護師に頭を下げると、私は再び祖母の待つ病室へもどった。
「おや、まぁ、みーちゃん顔が怖いけれど、どうしたの?姫路城はやっぱり無理だった?」
祖母が心配そうな顔で私を見て言った。
「違うの、ちょっと会社で色々あって。姫路城は大丈夫よ。また詳しいことは決まったら知らせるわ」
私はぎゅっと祖母の手を握ぎりしめながら続ける。
「これから会社に戻らないといけなくなったからすぐ行くわね。お母さんにもそう伝えておいて」
「はいはい、忙しいね。無理はしちゃいけないよ」
「はい!おばあちゃんも元気になったからって無理しないでね」
祖母はうんうんと頷きながら私に手を振っていた。
速足で廊下を抜け、エレベーターに飛び乗る。
んん!もう!!
一体どういうことなの?
見ると、萌からだった。
慌てて出ると、電話の向こうで誰かのすすり泣く声が聞こえる。
まさか、萌が泣いてるの?
「萌?どうしたの?何かあった?」
『矢田さんっ、ヒック……私、うっ、もう無理かもしれません』
「無理って、何が?」
『立花さんが、ヒック……私のバッグに入ってたって』
「立花さんがどうしたって?」
泣いてるせいで萌の言葉が聞き取りにくい。
片方の耳を塞いで、萌の言葉に神経を尖らせる。
『私のバッグから、あのUSBが見つかったって、立花さんが上司に言ったんです。絶対私が入れたんじゃないのに……』
なんてこと!!!
濡れ衣を着せられたってこと?
さっきまでの温かい心が一気にぐらぐらと煮え滾る。
「萌、今どこなの?」
『まだ会社です……』
「もう帰れる?」
『あと少ししたら』
「そちらまで行くから会社の下で待ち合わせるわよ!」
『でも、矢田さん、今日は用事があって早退したんじゃ?』
「もう用事は終わったから大丈夫、じゃ、またあとでね!」
私の声が興奮で大きくなっていたのか、そばを通りかかった看護師が足を止めて不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「すみません」
看護師に頭を下げると、私は再び祖母の待つ病室へもどった。
「おや、まぁ、みーちゃん顔が怖いけれど、どうしたの?姫路城はやっぱり無理だった?」
祖母が心配そうな顔で私を見て言った。
「違うの、ちょっと会社で色々あって。姫路城は大丈夫よ。また詳しいことは決まったら知らせるわ」
私はぎゅっと祖母の手を握ぎりしめながら続ける。
「これから会社に戻らないといけなくなったからすぐ行くわね。お母さんにもそう伝えておいて」
「はいはい、忙しいね。無理はしちゃいけないよ」
「はい!おばあちゃんも元気になったからって無理しないでね」
祖母はうんうんと頷きながら私に手を振っていた。
速足で廊下を抜け、エレベーターに飛び乗る。
んん!もう!!
一体どういうことなの?