イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。
「あ……」
その仕草が妙に色気があって、こんな状況にもかかわらずついつい見惚れてしまう。
整った顔立ちだな、とは思ってたけど……。
近くで見ると、月光に照らされて、いっそう彼の精悍な顔がはっきりと見えた。
細身なのにほどよく筋肉がついた体つきに、今しがた前髪をかき上げた手は骨ばっていて、指も長い。
「ほえ〜」
男らしい彼を見つめていたら、思わず間の抜けた声がこぼれた。
「……んだよ、変な声出すな」
「あっ、すみません! かっこいいなって思ったら、勝手に出ちゃいました」
思ったままを正直に伝えると、男の子は目を見張ったままその場に固まる。
そんな彼の様子に首をかしげつつ、私は男の子に駆け寄ると、その手を両手で握った。
「それにしても、お強いんですね!」
「近い、離れろ」
男の子はぎょっとしていて、私につかまれていた手を引っこ抜く。
そのとき、バルコニーにお父さんと同い年くらいの年配の男性がやってきた。
その仕草が妙に色気があって、こんな状況にもかかわらずついつい見惚れてしまう。
整った顔立ちだな、とは思ってたけど……。
近くで見ると、月光に照らされて、いっそう彼の精悍な顔がはっきりと見えた。
細身なのにほどよく筋肉がついた体つきに、今しがた前髪をかき上げた手は骨ばっていて、指も長い。
「ほえ〜」
男らしい彼を見つめていたら、思わず間の抜けた声がこぼれた。
「……んだよ、変な声出すな」
「あっ、すみません! かっこいいなって思ったら、勝手に出ちゃいました」
思ったままを正直に伝えると、男の子は目を見張ったままその場に固まる。
そんな彼の様子に首をかしげつつ、私は男の子に駆け寄ると、その手を両手で握った。
「それにしても、お強いんですね!」
「近い、離れろ」
男の子はぎょっとしていて、私につかまれていた手を引っこ抜く。
そのとき、バルコニーにお父さんと同い年くらいの年配の男性がやってきた。