描き続けた夢は、きっと私の手の中に、
おばあちゃん(母)と一緒に買い物をしたが、お父さんは私をじっと見つめて言ったんだ。

「顔、引きつってるよ。仕方ないよな、会ったのが遅かったから」

……どうやら顔に出ていたよう。まだうまくおばあちゃん(母)と打ち解けれていなかったようだ。

私の弟は、そんなことなく、おばあちゃん(母)と楽しそうにしてたけど。

私には、おじいちゃんがいない。昔は、おじいちゃんがいなくても平気だったのに、今は時々おじいちゃんがいる友達が羨ましくなるんだ。

きっと、友達の祖父と祖母が良い人なんだからだと思う。今、話した友達とは違うんだけど、私の幼なじみの祖父と祖母は、私たちを孫のように可愛がってくれるんだ。

だから、私も何か恩返しをしたいな……。

私のおばあちゃんの話は、ここまでにしよう。えっと、どこまで話したっけ?

あ、そうそう。福祉の授業を選択したってところまでか。少し時は飛んで三年生の春。

十日間の実習が始まった。私が行ったのは、近くにある介護老人保健施設。

そこでの実習で、私は介護のやりがいと楽しさを実感した。

介護士を目指して良かった、そう思えるようになった。

少し話はそれるけど、実は、福祉に興味が出たのは小学校の体験からだけじゃない。中学校の先生から出た言葉の影響も少なからずある。
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