描き続けた夢は、きっと私の手の中に、
夏休みは終わりに近づき、面接練習が始まった。担任じゃなく、他の先生だったけど。

「落ち着いて見えるけど、言葉が詰まって聞き取りづらい」

「全然楽しさが伝わってこないし、詰まりを何とかしろ」

「紙を覚えようとしてるからダメ。自分の言いたいことを自分の言葉で説明しろ。あと、身だしなみな」

そんな指摘を、色んな先生からされた。個人面接でも傷ついたけど、もっと傷ついたのが、夏休み明けに行われた集団面接練習。

皆は、すらすらと素敵な言葉で話していく。それを聞く度に、私なんて頑張ったって無理なんだって考えてしまった。

私の隣にいた友達も、周りの人も、私よりも輝いている。そんな気がしてならなかった。集団面接は、個人面接よりも出来ていなかったように感じた。

試験日が決まり、私は最終の面接練習を担任の先生に頼んだ。そして、面接練習が始まる。

ドアをノックし、静かに開けて静かに閉める。

「失礼します」

浅くお辞儀をし、イスの隣へ移動。

「それでは、あなたの出身高校とお名前を教えてください」

「はい――」

大きな声でしゃべり、深くお辞儀をして、ゆっくりと顔を上げる。面接官役の先生に促され、私は浅くお辞儀をして座った。

「あなたの志望動機を教えてください」

「はい。私が御社を志望した理由は――」
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