死者の怒り〜最期のメッセージ〜
ホームタウン
「お疲れ様でした!」

法医学研究所、ここは日本全国から運ばれた不審死のご遺体を解剖する場所だ。

そこで働く監察医、霧島藍(きりしまあい)は仕事を終えて家に帰る。今日は何件もの依頼が入ったため、いつもより忙しい日となった。

「……早くお風呂に入って寝ましょう」

家に帰り、味噌汁と野菜炒めを素早く藍は用意する。そして食べ終わって皿を片付けた後、お風呂にゆっくり浸かった。

お風呂から出てスマホを開くと、ラインが届いていた。それは藍の母である霧島香澄(きりしまかすみ)からだった。香澄からのラインは頻繁にある。藍が一人娘なためだ。

「藍〜!今週末こっちに戻ってこれない?どうしても来てほしくて……」

その内容の文に、藍はすぐに「仕事があるから……。ごめんなさい」と送る。すぐに既読になり、返信が返ってきた。

「ちょっとお父さんが怪我しちゃったのよ。ね、お願い!」

藍の父、霧島渉(きりしまわたる)は農業の仕事をしている。そこで体を痛めたのかもしれない。
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