死者の怒り〜最期のメッセージ〜
トゥルース
事件が起きてから二日。藍と大河は水谷美雪が住んでいた実家に足を運んだ。

「美雪さんはあの元旦那に殺されたんですよ?どこかに監禁されていたんじゃないですか?」

「それはまだわからないわ。もしかしたら、自宅で拘束されて殺害されたかもしれないし……」

藍はそう言い、水谷美雪の実家の扉を開ける。砂利で汚れた玄関が二人を出迎えた。

藍は迷うことなく部屋の中へと入る。大河が急いでついて来た。

部屋の中はとても綺麗に片付いている。床に埃などは落ちていない。どうやら、水谷美雪は綺麗好きだったようだ。

「あら……?」

リビングの天井を見上げ、藍は声を漏らす。天井には立派な木の柱があった。その木の柱も綺麗に掃除されている。

「特に怪しいものはありませんね〜」

そう言っていた大河は、「ん?」と言ってフローリングを見つめる。

「どうしたの?」

「いや、なんかこの辺りがベタベタしていて……」

大河の立っている辺りに藍も手を触れる。確かにベタベタしていた。
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