死者の怒り〜最期のメッセージ〜
藍の提案に大河はシュウマイを落とす。顔は藍が彼氏のフリを頼んだ時のように赤い。

「……藍、さん……」

恥ずかしそうに呟く大河を見て、藍はクスクスと笑った。



何時間も電車に揺られ、藍と大河は東北の山奥にある村へと到着した。まだ三時頃だ。

「うわぁ〜……。すごいですね」

「何もない田舎よ?」

「とても綺麗ですよ!」

藍と大河の目の前には、大きな山々がある。田んぼで農作業をしている人が何人かいて、藍は大河に村を案内しながら実家へと向かう。

「あら!藍ちゃんじゃない!」

藍に、茶髪のボサボサの髪をした地味な顔立ちの女性が話しかける。大河は少し警戒したが、藍は「お久しぶりです」と会釈した。

「知り合いですか?」

「ええ。彼女は福山美里(ふくやまみさと)さん。この村の人よ。東京の薬品会社で働いているとお聞きしたのですが……」

藍が美里の方を向くと、福山美里は「あんなとこ、すぐにやめたわよ!」と笑う。
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