死者の怒り〜最期のメッセージ〜
「そこの社長がすごいセクハラ親父でね。もう怖くなったからやめたの!!」

ケラケラ笑う福山美里に、大河は「セクハラなんてされるような顔じゃないだろ」と言いたげな目を向けている。藍はそれに気づき、「すみません、失礼します」と大河の腕を引いて実家へと向かった。

実家に向かっている最中に、「藍ちゃんじゃない!」と村人から声をかけられる。大河はポカンとしていた。

「すごいですね……」

「村人全員が顔見知りだからよ」

そんなことを話している間に、藍の実家に到着した。立派な瓦屋根の家だ。

「ここが霧島さん……いや!藍さんのご実家……」

大河は何度も深呼吸を繰り返し、服装などをチェックする。ちなみに、大河は今日はいつも以上におしゃれな格好だ。

「そこまで緊張しなくていいわよ」

藍は苦笑し、家の扉をゆっくりと開ける。すると二匹の猫が二人を出迎えた。

「ジジ!クロ!久しぶりね」

藍は二匹の黒猫の頭を撫で、微笑む。大河も藍の隣に腰を落とし、「可愛いですね」と目を細めた。
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