私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
カランコロン



店の入口にかけてある鈴が鳴る。



『千夏』



目だけで声の主を見る



『エル。』



エルが大きくため息をつく。



『悪かったな』



『なにが?』



『......怒ってるだろ?』



『別に』



ほんとに怒ってる訳では無い。



むしろ、



この自覚した気持ちを
呼び起こしてくれた事には
感謝している。



『そう怒らないでやってくれ』



『怒ってないよ』



『そうか、なら良かった』



そう言ってエルは私の頭を撫でる。



なに、ニュージーランドの男の人って
人の頭を撫でないといけないの?



『....受け入れるんだな』



『なにが?』



『頭を撫でることだ』



『ずっとレオがしてくるから』



『....まじか?』



『まじよ』



エルが大きく息を吐く。



ため息?



てか、なんで?



『あー、千夏』



『なに?』



『これはおっさんの独り言だ』



『....どうぞ』



『俺、ていうか、
俺たちみたいな女を取っかえ引っ変えする
クズ男はだな、』



自分でクズ男って言っちゃったよ。



『人の頭を撫でるのは
結構な意味があんだよ』
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