私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
エルの言葉に頭を傾げる。



『えーとだな、
頭を撫でるのは、家族や親友、


あと、』



エルが言いにくそうに口篭る。



なに、



『本命、
てか、好きだけど、気づかれたくは無い、
でも、触れたい。


そんな相手に触れるための口実だ』



....はい?



『だから、
俺がさっき千夏を頭を撫でたのは
家族みたいなもんだけど、


レオは、本気なんだろ』



エルの言葉に目を見開く。



正しく絶句とはこの事だろう。



いつもは回る舌が
言葉を忘れたかのように動かない。



『は、い?』



ようやく動いた口が紡いだ言葉は
たった2文字だ。



『あーもう!
ってことで、頑張れ』



そう言ってエルは店の中に入っていく。



え、放置?



爆弾だけ落として行ったエルに
ムカつけばいいのか
レオの行動の意味が分かったことに
感謝すればいいのか分からなくなる。



なによ、



頭を膝元にうずめる。



片手で頭に触れると
いつものような感触が頭で感じる。



レオに撫でられた時とは違う、
いつもの私の手の感覚。



〜〜〜〜。。。



グルグルと体の中を
意味が分からないものが這い回る。



この、なんとも言えない気持ちは、



あー、もう!!知らない!



ガバ!と立ち上がると
お店の扉を再度開ける。



カランコロンと爽快になる鈴の音が鳴る。
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