私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
上のスタンドからタリバンさんと共に
ピッチを眺める。



インカムから流れてくる音声が
試合開始を告げる。



大きくボールを蹴って始まったそれは
肉体同士のぶつかり合いの音が
ここまで聞こえてきそうだ。



『前半は』



『様子見ですね。』



『ま、テイラー相手だからね』



テイラーさんは自分のチームこそ
最強である。



そんな唯我独尊的な考えだ。



そんな監督の作戦は読みやすい。



実際テイラーさんのチームの
サイトを見ても攻めて攻めて攻めまくる戦法が
特に強くチームに出ている気がした。



でも、攻めて攻めて攻めまくる戦法でも
チームワークは大事に



チームメイトと協力して勝つことこそが
最高の喜び。



そんな感じのチーム。



そんなチームなら、



穴しかない。



前半10数分。



レオが外に構えボールを受け取ると
小さく蹴って前に進む。



開いた。



微かに空いた隙間を使いボールを拾うと
ノールックパスでチームメイトに渡し
テイラーさんチームがトライする。



先制点を取られる。



予想以上にいい動きをする。



うん、やっぱりレオは要らなかった。
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