私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
そう改めて確信する。



《今回、この試合で魅せる技は一切禁止よ》



数時間前に更衣室で話した
作戦の内容を思い出す。



全員が意味が分からない。という風に
首を傾げる。



《『パスとかは分かりやすく綺麗に正確に
無駄にノールックパスとかはしないで』》



《『取られね?』》



《『そんときはとん時よ。』》
自分で取り返しなさい』



《『えぇー、』》



《『ここで会ってまだ数日。
しかも一緒に練習した回数なんて数回よ
どうやったら成功するのよ』》



《『んんー、感?』》



《『そんなものは興味ないわ』》



《『手厳しい』》



《『ここに揃えたメンバーは
必ずテイラーに勝てるメンバーよ。


いい、あなた達が失敗しない、
そう自負するパスだけを味方に送りなさい。


付け焼きの刃を使う相手なんて、
鼻で笑ってやりなさい。』》



そういった瞬間全員の顔に笑みが溢れた。



悪い大人の笑みだ。



『同点!!!』



タリバンさんの声で思考の渦から脱出する。



確かに得点板に表示された点数は同点。



でも、気持ちの余裕が違う。



慌ただしく動く向こうの監督陣を見て
鼻で笑う。



選手の交代をしても
今更流れは変わらない。



ピッチの上のレオと目が合う。



ふふ、
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