私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜

時間を告げるホイッスルが鳴る。



ラストワンプレー



点数差は歴然。



今更ワントライ決めようが
覆せる点数差ではない。



それでも彼らは諦めない。



レオにボールが渡る。



目の前にはエルが1人。



１VS１



エルが止められなければ
トライを決められてしまう距離だ。



エルが止めたとしても
上手く味方に渡せばレオの勝ちだろう。



大一番の勝負に目が引かれる。



レオが正面からエルに向かう。



体格差はほぼ無い。



レオがフェイントを入れる。



エルが微かに騙される。



その隙間を見逃さずにレオは飛び込む。



エルが、



笑った気がした。



崩した体制から考えられない程早く
エルが体制を戻してレオに飛びつく。



前に伸ばしていたレオの手から
エルの仲間がボールを奪い去る。



大きく蹴り上げるとボールが線の外側に出る。



試合終了。



点数差だけを見れば五分五分の勝負。



でも、



ここにいる全員が理解した。



決して五分五分なんかでは無い。



ただ、



テイラーは



遊ばれていたのだと。



千夏という天才に