私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
上着をその場に脱ぎ捨てる。



『ちっなぁうぅぅぅー?』



サンスが楽しそうにこっちに向かってくるが
無視を決め込む。



『千夏?』



『ごめん、サンス。』



『ん?』



『具合悪いから着替えてくるね』



『あ、うん。』



サンスの横をとおりすぎて
更衣室に入る。



繁盛している時間帯なのか
更衣室には誰もいない。



自分が何に対して
ムカついているのか分からない。



レオに対して?



女性に対して?



自分に対して?



2人に怒るのはそれこそおかしい事だ。



自業自得のくせに。



行動を起こさなかったの自分なのに



《『だって、千夏は今高校生で
あいつにはあいつの人生があって



こんなおっさんに、
振り回される人生なはずがない』》



レオの言葉が何度も頭の中で駆け回る。



私が、



私があと1年早く産まれ入れば良かったの?



そしたら



さっき横で笑っていたのは
私だった?



ねぇ、



教えて欲しい。



レオ。



聞ける勇気なんてない。



この心を打ち明ける勇気なんてもっと無い。



でも、



心はずっと叫んでて



ずっとずっと好きって叫んでて



なのに



言葉に、



出来ない。
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