私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜

「橘 千夏」



フルネーム！？！？



「はい！」



反射的に大きな声で返事をする。



「っ、好き、です。」



え？



小さく呟くように言われたその言葉。



静寂が包んでいたこの空間では
しっかりと聞こえた。



へ？



好き、って言われた？



はい？



「俺は！橘 千夏、
君が、好きです！！！」




暗闇の中でも分かるぐらいに
真っ赤に頬と耳を染めて



彼は言う。



よく呑み込めてない結翔からの言葉を
ゆっくりと解釈していく。



何かを言おうと口が動くが
息を吐いて吸うだけで何も音にはならない。



好き？



だれが？



結翔が。



誰を？



私を。



好き？



好き、らしい。



脳が飲み込んだ時には
結翔がマフラーで目元まで
その赤くなった顔を覆い隠している。



「なんか、言えよ。」



「あ、はい。」



結翔に言われて咄嗟に出た言葉に
自分で驚く。



「あ、いや！その！
了承したのはい、ではなくて！
あ、いや、なんか言うことは了承したけど、
付き合うとかは、その、」



咄嗟につらつらと言葉がでる。



ゔ〜、変なこと知ってないよね？



さっきの無言が嘘のように言葉が続く。