私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
手を振って出ていった千夏を見送る。



汗でびしょびしょに濡れた
ユニフォームを脱いで指定のカゴに入れる。



我ながらひどい汗だ。



これなら千夏が嫌がるのも無理はない。



思春期だしな。



『おい、レオ!』



『勝谷。』



ニヤニヤと笑いながら勝谷が肩を叩く。



この顔の勝谷はいい事を言った覚えがない。



『愛されてるねー!!!』



その言葉にロッカールームにいた
全員の動きが止まり、



全員が爆笑した。



ほら、いい事を言わない。



『別に普通だろ』



『そーか?
俺なら奥さんにあんなこと言われねぇな』



『勝谷さんの奥さんならちげぇねぇ!!』



誰かの声に一段と笑い声が上がる。



たしかに勝谷の奥さんは
自分のことは自分で何とかする!



みたいな人だったな。



全員が笑いそれぞれが声を上げて
さらに盛り上がっている。



勝谷のそういうとこは流石だと思う。



今さっきまでの暗い雰囲気が
嘘のように笑い声に包まれている。
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