私の彼は世界一の有名人。〜世界トプ選手との恋愛事情〜
ずいっと顔を近ずけてくる助監督。



近い。



食べずらい。



『結構です。』



最後の1口を放り込んで席を立つ。



『私は今回の合宿の助監督よ。』



女の声に振り返る。



脅しか?



『まぁ、いきなり言われても
戸惑うのは分かるわ。


これ、私の名刺よ、
ネットで調べてみて。


そしたら、絶対気に入るから。』



両手が塞がってる俺の胸ポケットに
名刺を差し込むと席に座る。



俺は食器を返しにまた逆をむく。







部屋に帰ると名刺をそのままゴミ箱に捨てる。



代表選考合宿へ
参加できるほどの人材を育てているなら
確かに優秀だろう。



半年前の俺なら食いついたかもしれんが
今の俺には必要ない。



服装を着替えると部屋を出て
コートに向かう。



『お、レオじゃないか』



『ん?サンスか』



『久しぶりだな』



『あぁ』



サンスは俺の5つ上で前回のワールドカップも
一緒に出場している。



サンスがキョロキョロと周りを見渡す。



『どうした?』



『いや、千夏は?』



『いないぞ?』



『......え?』



『さすがに合宿はダメだろ』



『前はいたじゃないか!』
< 87 / 191 >

この作品をシェア

pagetop