My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
「伝説じゃ恐ろしい人物だって言われてるけど、全然そんなんじゃなかったってばあちゃんは言ってた。少ししか一緒にいられなかったけど、友達になったんだって。流石アタシらのばあちゃんだろ?」
得意げにドナは笑う。
「でも、なんで急に?」
私は微かに震える腕を上げて自分を指差した。
「私も、銀のセイレーンみたいなの」
「え?」
驚き過ぎてなんだかぼんやりとした気分で言ったせいかもしれない。
ドナは一瞬理解できなかったようで少しの間目を瞬き、それから大きく口を開けた。
「えぇ~!? カノンが、銀のセイレーン!?」
私は頷く。
彼女はこちらを指差し興奮気味に続けた。
「だ、だって、銀のセイレーンって異世界からって……、じゃあカノンは異世界から来たのか?」
こくこくと頷く。
「この世界を滅するために?」
これには勢い良く首を振る。
「違うの! 私もね、いきなりこのレヴールに来ちゃって、いきなり銀のセイレーンなんて言われて、だからまだわからないことばかりで……。それで今元の世界に帰るためにこうして旅してるの」
ドナはゆっくりと腕を下ろしていき、放心したように私の顔を見つめた。
――彼女なら。そう思ったけれど、やはりショックだったろうか。そう心配になった頃。
「……すっげぇ。すっげぇよ!」
その顔が徐々に紅潮していく。
「アタシも銀のセイレーンに会えたんだ! ばあちゃんと同じように! すっげぇーー!!」