My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
14.異世界の友達
「ごめんね、泣いたりして」
鼻をすすりながら言うと、ドナはぶんぶんと首を横に振った。
「カノンもばあちゃんが好きだったんだな」
「うん……。でも、私のおばあちゃんも去年死んじゃったんだ」
「! そうだったのか。……なんか、似てるな、アタシら」
「うん、似てる」
顔を上げて微笑む。
「……アタシらさ、友達になれるかな」
「え?」
ドナが少し緊張したような面持ちで私を見る。
「会ったばっかりだし、色々悪いことしちまったけど、昔、ばあちゃんが銀のセイレーンと友達になったみたいにさ、アタシもカノンと友達になれたらいいなって」
「私も、ドナが友達になってくれたら凄く嬉しい!」
「ほ、ホントか!?」
強く頷くと、ドナはほっとしたような顔をしてから、とても嬉しそうに笑った。
セリーンがそんな私たちを目を細めて見守ってくれている。
「……でも、すぐにいなくなっちまうんだよな」
「うん。多分、明日には……」
この島を発ってしまう。その言葉を飲み込む。
仲良くなれたのに、明日にはもうお別れなのだ。
そう思ったら急に寂しい気持ちがこみ上げた。
少しの沈黙の後。
「――カノン、一緒に来て欲しいとこがあるんだ」
「え?」
「ばあちゃんとの思い出の場所」
微笑み言いながらドナはすっと立ち上がった。
「そこで、カノンに歌って欲しいんだ」