My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
するとドナはきょとんとした顔をした。
――先ほどラグも言っていたが、セイレーンは歓迎されていても“銀のセイレーン”が歓迎されるとは思えなかった。
モリスちゃんが銀のセイレーンの伝説を知っているかどうかはわからないが、怖がらせてしまっては元も子もない。
「なんでだ? アタシも久しぶりに歌聴きたいんだけど」
「ごめんね。……実は私、セイレーンって言ってもまだ全然上手くなくて、集中して歌わないと失敗しちゃうかもしれないんだ。だから、ごめん!」
なんとかそう誤魔化しもう一度謝る。するとドナは小さく笑った。
「そっか、うん、わかった。なら成功したら今度はアタシにも聴かせてくれよな」
「う、うん」
そうなったら目を瞑っていてもらうしかないが、私は曖昧に頷いた。
「アドリー、リビィ外に行くぞ」
「えーなんで?」
「おれも歌聴きたいよー!」
「後でな。今はモリスを寝かせてやるほうが先だ」
ドナの言葉に二人は顔を見合せ、まだ不服そうだったが立ち上がった。
「モリス、アタシ達はドアのすぐ外にいるから。カノンをばあちゃんだと思ってゆっくり寝るんだぞ」
「うん」
少し不安そうだったが、モリスちゃんは私の顔を見て小さく頷いてくれた。
そして3人はこちらを気にしながらも家を出ていき、パタンとドアが閉まった。
私はその場で深呼吸する。きちんと歌うのは久しぶりで少し緊張していた。しかも失敗したら金髪の人のことを訊くことが出来なくなる。――と。
「お姉ちゃん」
モリスちゃんに呼ばれ、私は慌てて振り向いた。
「なあに?」
「ここ、トントンしてくれる?」
そうしてモリスちゃんは自分の胸に手を置いた。
その言い方がとても可愛らしくて、私は微笑み頷いた。
――先ほどラグも言っていたが、セイレーンは歓迎されていても“銀のセイレーン”が歓迎されるとは思えなかった。
モリスちゃんが銀のセイレーンの伝説を知っているかどうかはわからないが、怖がらせてしまっては元も子もない。
「なんでだ? アタシも久しぶりに歌聴きたいんだけど」
「ごめんね。……実は私、セイレーンって言ってもまだ全然上手くなくて、集中して歌わないと失敗しちゃうかもしれないんだ。だから、ごめん!」
なんとかそう誤魔化しもう一度謝る。するとドナは小さく笑った。
「そっか、うん、わかった。なら成功したら今度はアタシにも聴かせてくれよな」
「う、うん」
そうなったら目を瞑っていてもらうしかないが、私は曖昧に頷いた。
「アドリー、リビィ外に行くぞ」
「えーなんで?」
「おれも歌聴きたいよー!」
「後でな。今はモリスを寝かせてやるほうが先だ」
ドナの言葉に二人は顔を見合せ、まだ不服そうだったが立ち上がった。
「モリス、アタシ達はドアのすぐ外にいるから。カノンをばあちゃんだと思ってゆっくり寝るんだぞ」
「うん」
少し不安そうだったが、モリスちゃんは私の顔を見て小さく頷いてくれた。
そして3人はこちらを気にしながらも家を出ていき、パタンとドアが閉まった。
私はその場で深呼吸する。きちんと歌うのは久しぶりで少し緊張していた。しかも失敗したら金髪の人のことを訊くことが出来なくなる。――と。
「お姉ちゃん」
モリスちゃんに呼ばれ、私は慌てて振り向いた。
「なあに?」
「ここ、トントンしてくれる?」
そうしてモリスちゃんは自分の胸に手を置いた。
その言い方がとても可愛らしくて、私は微笑み頷いた。