My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
「だってあんなにいい子達なのに!」
「何がいい子だ、ただの自業自得だろうが!」
「でもだから反省して街に下りたんだよ! 許してくれるならいいけど、もし面子のためにっていうなら見過ごせないよ!」
「お前なぁ、ついこの間余計なことに首突っ込むなって言ったばかりだろうが!」
「でもラグだってさっきの呪いの話の続き気になってるんでしょ!? もし何かあったら聞けなくなっちゃうんだよ!?」
「だからってなぁ!」
「ぶぅ~!」
そのとき可愛い声と共に私たちの目の前にぴょこんと白い塊が現れた。
「ブゥ!」
「あぁ、起きたのか」
そのままブゥは嬉しそうにいつもの定位置であるラグの頭に乗っかった。
そんなブゥの姿を見て、私はもう一度ラグに言う。
「あのモンスターだってブゥと一緒だよ。モンスターだけど、ラグもブゥもお互いに大事な存在でしょ? ドナもあのモンスターのこと確かツェリって名前で呼んでた。ツェリもただドナ達を護ってるだけなんだよ」
「ぶぅ?」
ブゥが目をぱちくりさせながら私を見ている。
そして舌打ちが聞こえてきた。
「ったく、なんだってこう次から次へと……!」
その諦めたような言い方になんとか承諾してくれたのがわかりほっとする。