西校舎の佐倉くん
そしてその噂は、1組のクラスメイトたちによって広まり、拡散されたそれは学校中を賑わせた。
今じゃ外部の中学校なんかにも広まって、たまに興味本位で高校を見つめる中学生を見かけるようになった。
「ねえ薙原さん、」
ふと──例の噂を聞き出したあの女の子、高野さんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「今日ね、夜肝試しするんだけど、薙原さん一緒にどうかな、って」
「なんで私?」
喋ったのなんて、今がほぼ初めてみたいな仲なのに。
「薙原さん、怖いの平気そうじゃん?ほら、噂のことも気にしてなさそうだし」
───人並みに怖いんだけどね。
噂にも興味あるし。
「・・・いいよ、行く」
「ほんと?!やったぁ、じゃあ連絡先聞いてもいい?」
「うん」
こうして私は、西校舎に足を踏み入れることになったのだけど。
これをキッカケに、出会ってしまうなんて思わなかった。
本当の恋に。切ない愛に。
今じゃ外部の中学校なんかにも広まって、たまに興味本位で高校を見つめる中学生を見かけるようになった。
「ねえ薙原さん、」
ふと──例の噂を聞き出したあの女の子、高野さんが声をかけてきた。
「どうしたの?」
「今日ね、夜肝試しするんだけど、薙原さん一緒にどうかな、って」
「なんで私?」
喋ったのなんて、今がほぼ初めてみたいな仲なのに。
「薙原さん、怖いの平気そうじゃん?ほら、噂のことも気にしてなさそうだし」
───人並みに怖いんだけどね。
噂にも興味あるし。
「・・・いいよ、行く」
「ほんと?!やったぁ、じゃあ連絡先聞いてもいい?」
「うん」
こうして私は、西校舎に足を踏み入れることになったのだけど。
これをキッカケに、出会ってしまうなんて思わなかった。
本当の恋に。切ない愛に。