月夜に笑った悪魔
それを聞いたお兄さんは、ふっと笑って。
「いーよ。メシも3食つけてやる」
答えは、まさかの。
「救世主!餓死しないですむなら、なんでも条件のむ!」
生きる希望が見えてきて、私はまたまたスキップ。
お兄さんの前までスキップで行ったところで。
「俺の嫁になれ」
後ろから聞こえてきた声。
ピタリと足を止めた。
「俺の嫁になることが条件。この条件がのめるんだったら住むとこもメシもやる」
「……それは、幸せになれる?もう二度とひとりぼっちにならない?」
後ろを振り向いて、お兄さんを見つめる。
お兄さんは、口角を上げて私をまっすぐに見つめ返してきて。
「あぁ。ずっと一緒にいてやるし、幸せにしてやる」
知らない人だけど、頭がふわふわしているせいで今はどんな言葉でも嬉しく感じた。
ぼうっとした頭では深く考えることもできない。
イケメンだし、お金持ちそうだし、絶対年上だし!
住むところもあって、ご飯も3食あって、幸せにしてくれるならいっか♡
「お兄さんのお嫁さんになる!」
大きな声で返事をした私。
それから、すごくいい気分になって気持ちよくて、スキップしたり、歩きながらまわったり。
いろいろ話して、笑っていたら……急にやってきた吐き気。
意識がプツリと切れた。