月夜に笑った悪魔
制御不能な悪魔



和正のことがあってから数日経過し、夏休みに突入。


私はここ数日、暁に会っていない。
彼はまだ一条組の家に帰って来ていないんだ。


数日前に話を聞いたところ、暁は病院にいるらしい。
あれだけ撃たれてケガをしたんだから、無理もない。


とりあえずちゃんと生きている、ということは教えてもらったからそこは安心。






「美鈴ちゃん、今時間ある?」


ある日、蒼真から声をかけられた時はびっくり。
肩が上がるくらい驚いて、とうとうこの日が来てしまったんだと思った。


暇な夏休みを過ごしていた私は、こくんと頷いて。
車へと乗せられて、どこかへと向かう。




暁がいないこの数日、私はずっと周囲に気をつけていた。
……狙撃されるかもしれないから。



一条組の若頭に、私はとんでもないことをした。
勝手な行動した私をわざわざ助けに来てくれた暁に、スマホを思いっきり投げつけケガをさせたんだ。


彼が撃たれたのも、私のせい。


しかもこれはあとからわかったことだが、私が投げつけたスマホ、あれは……私のものだった。
買ってもらってまだあまりたっていないスマホ。


それを壊してしまった罪も重い。


暁は、一条組の若頭で、えらい人。
私が彼にケガを負わせたことがわかれば、彼の部下たちはただじゃおかないだろう。

< 148 / 615 >

この作品をシェア

pagetop