月夜に笑った悪魔


「じゃあ、みんなで女子会しよ!」


千梨が笑顔で言って──こうしてはじまった、女子会。



私の部屋に大きめのテーブルとお茶とお菓子を運んで、5人で座った。


吉さん、絵音、虫取りに行くと言っていた十も一緒にいるから、“女子会”とはほとんど言えないけど。

話の内容は、女子。





「美鈴ちゃんって肌キレイよね。羨ましいわ~」


吉さんが突然言い出して、隣に座る千梨がらうんうん頷く。


「いや、でも前は毎日メイクしてたんで肌荒れがすごかったですよ」


和正といた時は毎日していたメイク。
あの時は本当に肌荒れがすごかった。


でも今はメイクもあまりしなくなって、肌が落ちついたほう。
肌がいい感じなのは本当に最近の話。


「え~!そうなの!?っていうか、敬語いらないわよ!普通に話して~!」
「あ、うん……。わかった」


「そういえば美鈴ちゃん、前の潜入捜査の時のメイク上手だったわね!あんなに大人っぽくメイクできるなんて天才よ!」


褒めてくれる吉さん。
それを聞いた千梨は、


「美鈴、メイク上手なの!?」


また、私に迫り来る。

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